【拍手お礼 50】


-コンビニ・ウォーズ-


「こちらキャンペーン中なので、お一つお付けして置きます。
有り難う御座いました〜。又、お越しくださいませ〜」

今日はドライブがてら、少し遠目のショッピングセンターまで買出しに出ていた…
そして、咽が乾いた。という事で、コンビニへと入ったのだが。
精算を済ませた石川が、店を出たところで固まっているのを見つけた岩瀬が声を掛けた。

「悠さん、どうかしましたか?」

そんな岩瀬の声にビクリと反応した石川は。
突然、ダカダカと歩き出し、車に乗り込んだ。
その、余りにも突然な行動に驚きながらも、岩瀬も車へと乗り込む。
そして、助手席に乗って難しい顔をしている石川に再度声を掛けた。

「悠さん?何かあったんですか?」

再びの呼びかけに暫しの沈黙で答えた石川だが…

「……基寿…コレ…」

少し顔を赤らめて、そっと石川が差し出したモノは…

オレンジ色に赤のストライプが可愛らしい小さな袋状の物で。
思わず受け取った岩瀬は、マジマジと書かれた文字を読むと…
ソレは又もや可愛らしい文字で『ラブvローション』と書かれてあり…。
ソレを見た岩瀬も暫し固まる…。

「……どうしたんですかコレ…?」
「…レジで『キャンペーン中』だからって…」
「…くれたんですか…?」
「…うん…」
「……」
「……」
「コレを、如何しろと…?」

心底。困った顔で岩瀬を見上げる表情は目眩がするほど可愛らしく…

『…いやいやいや…どうもこうも…』

一瞬。誘っているのか!?と思ったが。

『いやいや。落ち着け俺!悠さんは困ってるだけだし…』

自分に落ち着け。と言い聞かせ、岩瀬は―

「…如何しましょうねー…?」

と、かなりヘタレな返事をした。


  + + + 

そんなヘタレな返事を聞いていない石川はポツリと呟く。

「…いらないよな…?」
「…え!?棄てるんですか?」

以外な反応を示した岩瀬に、石川は驚きの目を向ける―

「いるのか!?」
「え…いえ…棄てるんだなーと…思ったり?」
「…だって…いらないだろう…?」
「え…えぇ…まぁ…」

ハッキリしない岩瀬の反応に、石川が焦れて…

「…言いたいことがあれば、はっきり言えよ!」
「え!?……」

暫し、睨み合い(?)が続き、車中に微妙な雰囲気が流れる…
口を開いたのは岩瀬で―

「…えっと、その…チョット興味があったり…?とか…?」
「……」
「あ!棄てましょうね!」

石川の無言の迫力に負けた岩瀬が降参する。
その、岩瀬の慌てた様子をじーーーっと見ていた石川が…

「…使ってみるか?」
「…はい?」
「…使ってみたいんだろう?」
「…え…えぇぇぇぇぇえ!!!」

顔を赤らめて、決して岩瀬の方を見ないが。
石川は確かに『使ってみるか?』と聞いたのだ…
岩瀬は自分が空耳を聞いているのかと思った。
もしくは願望による、幻聴か?と…
そして、恐る恐る石川に聞きなおした。

「…悠さん、今。『使ってみるか?』って…?」
「…なっ!別に、嫌ならいいんだ!!…もう、その話は終わりだ!!」

恥ずかしさの為に怒り出した石川を、車の運転席からギューーーっと抱きしめて。

「悠さん…!!可愛いーーーvv」
「ばっ///離せ!!」
「はいっ!では。今すぐ寮に帰りましょう♪」
「はっ!?買出しは?」
「そんな事、後です!それよりダッシュで帰りますよ!!」
「えっ!?いや…後って…」
「もう、無理です!我慢できません!!」
「も・基寿…!!」

石川の叫びもむなしく。
二人を乗せた車は急発進で来た道を戻りだす―


そして。
寮へと続くEゲートの外警は、先ほど出かけたはずの隊長と補佐官がダッシュで帰ってきたのを目撃する事になり…

石川達の買い物は次週へと持ち越されるのであった―